無知の知
「他人のものは何でもよく見えて、うらやましく思うこと」(故事ことわざ辞典より) 比較対象として何かを観測するとき、人はそれを心や持論の補強材料として捉え、 自身に都合の良い赤い花を観測すれば、そこで満足して観測を止めてしまうもの。
情報の海で吹き荒れる批判の嵐、それらは一纏めに、一様に語っていいものではない。
「中身のない人ほどよくしゃべるということのたとえ」(故事ことわざ辞典より) 相手が知らない知識を断片的に集め、披露するのはそう難しいことではありません。 難しいのは、そして大切なのは、眼前の相手が博識なのか浅識なのかを見極めること。
「成り行きに任せて生きるのがよい」(故事ことわざ辞典より) 複雑にして不確定要素の多い先行きを案じるのではなく(風が吹けば桶屋が儲かる) もっと単純に、シンプルに、今、目の前にある世界をただ精一杯生きた方が良い。
「小さな欠点を無理に直そうとして、全体をだめにする」(故事ことわざ辞典より) 「これが正義だ、常識だ、世界の潮流だ」などのシンプルな言葉は力強いものですが、 対する世界はそんな単純ではなく、ただ良いものを取り入れれば良いとは限りません。
「相関関係は因果関係の前提に過ぎない」(cf.Wikipedia) こんなサイトで統計学の専門的な話に言及しても誰も得をしないと思うので、 あくまで『因果推論』という漠然とした“ものの捉え方・考え方”についての話。
「悪政は人を食い殺す虎よりも恐ろしい」(故事ことわざ辞典より) 「なんもかんも政治が悪い」なんて言いますが、民主主義での悪政は国民の自業自得。 しかし、では何が正しくて何が悪政なのか、その見極めも容易ではないのが難しい所。
「立派な人物は、過ちに気づけば即座にそれを改める」(故事ことわざ辞典より) 信じることが目的と化し、宗教化したが故に、考えを改められない人もいるでしょう。 逆に、大人物であるが故に、素直に自らの過ちを認め,改められる人もいるでしょう。
「道理の通じない者や権力者にはどうやっても勝てない」(故事ことわざ辞典より) 議論は相手を変えられません。あくまでも相手が、自身の意思で、勝手に変わるだけ。 ならば議論で大切なのは相手ではなく、それを通して自分が何を得られるかでしょう。
「物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと」(故事ことわざ辞典より) 諦めずに木に登り続けていれば、いつかは魚を… 猫や海鳥が偶然落としてくれる可能性もゼロではないから世界はややこしい。
「他のことにかこつけて、自分の怠慢や落度の言いわけをする」(ことわざ辞典より) 坊主「あーつれぇわー。お経を読みたいけど仏堂が傾いてるせいで読めねぇわー。」 まぁ確かに、気が散るのは事実でしょう。しかし、それと本人の怠慢はまた別の話。
「一つのことを見れば、他のすべてのことが推測できる」(故事ことわざ辞典より) 人というのは「世の中は何でも白黒はっきりできるほど単純じゃない」と言われても、 今度は「グレー」という別の単色に、別の単純な観念に飛び付きたがるものでしょう。
自分を高めるのは一生でも、他者を下げるのは一瞬。安易な方向に逃げていないか。 他山の石とは 他人や他国での宜しくない出来ごとに学び、自分も同様なことがないか反省して、発展の糧とすること。 ここでの石とは、古代の武器や宝石の意味を持っている。 …
「失敗しても改善していくことで、かえって成功に近づく」(故事ことわざ辞典より) テストで満点を取ることは、成功ばかりで失敗経験がないことは、 結局、自身の知識や認識がどこまでなら正しいのかを知れないということ。
「理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすする」(故事ことわざ辞典より) 実際には単なる自分の都合や理屈でしかないことを「合理的」と勘違いしていないか。 今回は「合理」という言葉を使った、表面上の、少々言葉遊びの側面も強い話。
山頂が目前だからといって、眼前の断崖絶壁を最短距離で登れば良いとは限らない。 急がば回れとは編集 急いでいるときには危険な近道を通るよりも、回り道でも安全な方を通るほうが結局早いというように、安全で着実な方を選べという戒め。 近世初期に著され…
「人格者ほど謙虚であるというたとえ」(故事ことわざ辞典より) プライドには二種類あると思います。すなわち、 「それ故に自由に在れなくなるプライド」と「それ故に自由に在れるプライド」です。
自分の利益を考える、それ自体は当然のことでなんら問題ないでしょう。それ自体は。 おためごかしとは 【御為倒し】 表面はいかにも相手のためであるかのように偽って、実際は自分の利益をはかること。 おためごかしを言う。関連キーワード逆恨み 続きを読む…
「敵と味方の実情を熟知していれば幾度戦っても負けない」(故事ことわざ辞典より) 何事においても、自分の長所を生かし、強みを打ち出そうとすることは基本でしょう。 ただし、相手がそれに価値を見出してくれるか、それが通用する相手なのかは別の話。
自分にとっての正解や価値あるものが、他者にとってもそうであるとは限りません。 遼東の豕とは 故事成語で、独り善がりでいるさま。偉ぶっているさま。 続きを読む このキーワードを含むブログを見る
「両方が納得する、また喜ぶようなことをするのは難しい」(故事ことわざ辞典より) 誰かにとっての正義は他の誰かにとっての悪であるように、彼方も此方も、 その両方を立てるのが困難なのは、何も人間関係に限った話ではないでしょう。
「風の吹き方」なんて小事から「桶屋の売り上げ」への連鎖を予測するなど無理難題。 風が吹けば桶屋が儲かるとは ことわざ。 ある出来事が、予想もしないようなところへ影響を及ぼすことの例え。転じて、当てにならない期待をすること。 また、因果関係の無…
「人と協調はするが、主体性を失うようなことはしない」(故事ことわざ辞典より) 協調性を重視するあまり自分の判断を捨てた挙げ句「え、だって皆やってたから」 「皆そうだと言ってたから」などと後に言い訳する事態は避けたいものです。
「下手な者の長考は、時間を浪費するだけで、なんの効果もない」(コトバンクより) “馬鹿”とは本来頭が悪いことではなく、他者の言うことを妄信することでしょう。 しかし、他者の意見を妄信しないことと排他的になってしまうことはまた別の話です。
『鶴の一声』を横暴と断ずるのは早計でしょう。ただし、それが本当に鶴の声ならば。 鶴の一声とは 多くの人々がああでもない、こうでもないと議論している際、その集まりの重鎮・有力者・権威者がひとことを言って方向性がきまるありさま。多くの議論や意見…
とりあえず必死に主張し続ければ、いずれは受け入れられる…とは限らないでしょう。 折檻とは 厳しくしかること。体罰を加え懲らしめること。 中国の故事「漢書」の「朱雲伝」に由来。 前漢の成帝の時代、朱雲が成帝の政治に対し厳しく忠告したため、朱雲は帝…
「憎むあまり、それに関わるすべてのものが憎くなること」(故事ことわざ辞典より) 他者に何か原因があるから、他者が憎いとは限らない。 他者が憎いからこそ、憎む原因ばかりを探し求め、それを創り上げていることもある。
「この世にあるすべてのものは、常に移り変わる」(故事ことわざ辞典より) このサイトにて散々言及されている「“わかったつもり”にしかなれない」という言葉、 これは戒めの言葉でこそあれど、決して諦めの言葉ではないと思います。
「大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している」(cf.Wikipedia) 別名『80:20の法則』や『ばらつきの法則』など。 優れた少数と、平凡な大多数、互いに互いへの感謝と尊重の念が重要なのでしょう。
「物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと」(故事ことわざ辞典より) どんな森林でも、探せば朽ちた木の1本や2本はあるでしょう。 朽ちた木を何本か見つけて「この森林は腐ってやがる…」などというのは筋違いです。