人間関係
情報の海で吹き荒れる批判の嵐、それらは一纏めに、一様に語っていいものではない。
「中身のない人ほどよくしゃべるということのたとえ」(故事ことわざ辞典より) 相手が知らない知識を断片的に集め、披露するのはそう難しいことではありません。 難しいのは、そして大切なのは、眼前の相手が博識なのか浅識なのかを見極めること。
「ありのままの自分の心を知ること」(cf.Wikipedia) 子どもの如く直情的に喚き散らす姿が、ありのままの自分でしょうか。 他人の目を気にして、他人に合わせて振る舞う姿が、ありのままの自分でしょうか。
他者への批判は自らにも跳ね返る諸刃の剣。その刃を受け止められるか。 泣いて馬謖を斬るとは 故事成語の1つ。規律や秩序を守るために情に流されずに違反した者には厳しい処分を行うこと。 中国の三国時代の蜀の武将である馬謖が、街亭の戦いで諸葛亮の指示…
「立派な人物は、過ちに気づけば即座にそれを改める」(故事ことわざ辞典より) 信じることが目的と化し、宗教化したが故に、考えを改められない人もいるでしょう。 逆に、大人物であるが故に、素直に自らの過ちを認め,改められる人もいるでしょう。
「争わないで相手に勝ちを譲ったほうが自分にとって有利」(故事ことわざ辞典より) 前回で議論の虚無性的なことを語っておきながら今回議論の話をするのもアレですが、 今回はあくまでも、互いに建設的な議論を模索することを前提とした上での話。
「道理の通じない者や権力者にはどうやっても勝てない」(故事ことわざ辞典より) 議論は相手を変えられません。あくまでも相手が、自身の意思で、勝手に変わるだけ。 ならば議論で大切なのは相手ではなく、それを通して自分が何を得られるかでしょう。
「他のことにかこつけて、自分の怠慢や落度の言いわけをする」(ことわざ辞典より) 坊主「あーつれぇわー。お経を読みたいけど仏堂が傾いてるせいで読めねぇわー。」 まぁ確かに、気が散るのは事実でしょう。しかし、それと本人の怠慢はまた別の話。
自分を高めるのは一生でも、他者を下げるのは一瞬。安易な方向に逃げていないか。 他山の石とは 他人や他国での宜しくない出来ごとに学び、自分も同様なことがないか反省して、発展の糧とすること。 ここでの石とは、古代の武器や宝石の意味を持っている。 …
「理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすする」(故事ことわざ辞典より) 実際には単なる自分の都合や理屈でしかないことを「合理的」と勘違いしていないか。 今回は「合理」という言葉を使った、表面上の、少々言葉遊びの側面も強い話。
「天理は自然のままの本性、人欲は外部刺激によって起こる欲求」(コトバンクより) 『天理人欲』といってもその意味、特に『人欲』の扱い方は時代によって異なります。 今回言及するのは、自由の抵抗物としての『人欲』という観点について。
自分の利益を考える、それ自体は当然のことでなんら問題ないでしょう。それ自体は。 おためごかしとは 【御為倒し】 表面はいかにも相手のためであるかのように偽って、実際は自分の利益をはかること。 おためごかしを言う。関連キーワード逆恨み 続きを読む…
「敵と味方の実情を熟知していれば幾度戦っても負けない」(故事ことわざ辞典より) 何事においても、自分の長所を生かし、強みを打ち出そうとすることは基本でしょう。 ただし、相手がそれに価値を見出してくれるか、それが通用する相手なのかは別の話。
誤解されるのは嫌なことですが、“誤解を与えた側”にも落ち度はあるでしょう。 瓜田李下とは 四字熟語。人から疑いをかけられるようなことはしてはいけないし、疑いを受けるような状況に身を置いてはならないという教え。中国の古楽府の「君子行」の「君子防…
自分にとっての正解や価値あるものが、他者にとってもそうであるとは限りません。 遼東の豕とは 故事成語で、独り善がりでいるさま。偉ぶっているさま。 続きを読む このキーワードを含むブログを見る
「人と協調はするが、主体性を失うようなことはしない」(故事ことわざ辞典より) 協調性を重視するあまり自分の判断を捨てた挙げ句「え、だって皆やってたから」 「皆そうだと言ってたから」などと後に言い訳する事態は避けたいものです。
『鶴の一声』を横暴と断ずるのは早計でしょう。ただし、それが本当に鶴の声ならば。 鶴の一声とは 多くの人々がああでもない、こうでもないと議論している際、その集まりの重鎮・有力者・権威者がひとことを言って方向性がきまるありさま。多くの議論や意見…
とりあえず必死に主張し続ければ、いずれは受け入れられる…とは限らないでしょう。 折檻とは 厳しくしかること。体罰を加え懲らしめること。 中国の故事「漢書」の「朱雲伝」に由来。 前漢の成帝の時代、朱雲が成帝の政治に対し厳しく忠告したため、朱雲は帝…
「憎むあまり、それに関わるすべてのものが憎くなること」(故事ことわざ辞典より) 他者に何か原因があるから、他者が憎いとは限らない。 他者が憎いからこそ、憎む原因ばかりを探し求め、それを創り上げていることもある。
「たとえ同じ物でも気持ちや状況しだいで様々に変化する」(故事ことわざ辞典より) 同じ手であっても、握れば人を殴る拳になり、開けば人をなでて愛でる掌になる。 拳と掌、そのどちらも偽りではないが、どちらか一方のみでは手の全ては語れない。
「二つのものの違いがあまりに大きすぎて比較にならない」(故事ことわざ辞典より) 実際に当事者として体験してみなければ、当時者の気持ちはわからないでしょう。 そして例え似た経験をしていると思っていても、それが本当に似ている保障などない。
「ある一つの種の中での遺伝子の多様性」(cf.Wikipedia) 生物はその多様性を確保するため、常に新たな遺伝子を持つ個体を生み出しています。 ならば、常識から外れたイレギュラーな個体も、いない方がむしろ不自然でしょう。
「口先で議論を重ねるよりも、証拠を出したほうが明確」(故事ことわざ辞典より) A「○○細胞を発見しました!この発見にはあんな苦労やこんな理想が…」 B「感動的だな。だが無意味だ。貴方の主観はいいから証拠を見せてくれ。」
「1人当たりの課題遂行量が人数の増加に伴って低下する現象」(cf.Wikipedia) 別名『リンゲルマン効果』など。自分の行為と結果の因果関係が見えにくいと、 怠惰に繋がるだけでなく、身体の制御感覚が狂わされてしまう側面もあると思います。
「小人物には、大人物の考えや大きな志などがわからない」(故事ことわざ辞典より) この言葉、自分と他者のどちらが燕雀(小人物)でどちらが鴻鵠(大人物)なのか、 その捉え方によって意味合いが大きく変わってくると思います。
「上に立つ者が優れていればその下につく者も優れている」(故事ことわざ辞典より) 「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」とでも言わんばかりの、 家臣を必要としない文字通り一騎当千の武将なんて、恐らく空想のみの存在でしょう。
「気の合う者や似通った者同士は、自然に寄り集まる」(故事ことわざ辞典より) 似た者同士は集まる。そういった側面は確かにあると思います。 しかしそれ以上に、似ていない者同士は居心地が悪いという側面も強いのでしょう。
「影響の輪にエネルギーを集中できる人こそが主体性を高められる」cf.)『7つの習慣』 関心の輪:自分が関心を持っている事柄のうち、自分がコントロールできないもの*1 影響の輪:自分が関心を持っている事柄のうち、自分がコントロールできるもの *1:厳密に…
人は人を変えはしない。当人が他者からの刺激を踏まえ、自分の意志で変わるだけ。 パブロフの犬とは 犬にエサを与えるときに必ずベルを鳴らすようにしたところ、エサが無くてもベルを鳴らすと犬がよだれをたらすようになるというもの。 パブロフ博士が1902年…
人は交わる人次第で良くも悪くも、少なからず影響を受けて変わるものだと思います。 朱に交われば赤くなるとは 純真な(白い)者も、朱い仲間を作ると、同じく赤くなってしまうのでよろしくないこと。儒教的な観念である。 続きを読む このキーワードを含む…