読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

彼方を立てれば此方が立たず - 目先の論理的正当性に驕っていないか -

無知の知 知行合一 社会

「両方が納得する、また喜ぶようなことをするのは難しい」(故事ことわざ辞典より)

 

誰かにとっての正義は他の誰かにとっての悪であるように、彼方も此方も、

その両方を立てるのが困難なのは、何も人間関係に限った話ではないでしょう。

 

彼方を立てようとすると立たない“此方”を認識できているか

 

人間、局所的に分析や主張をするのは案外得意なものだと思います。

特に自分の肌で感じた、実体験の伴う課題や問題は理解が深まりやすく(知行合一

割と容易にそれっぽい批判や、対案提示ができてしまうものでしょう。

 

しかし、眼前の問題に対する改善案をいざ実行しようと、彼方を立てようとすると、

別の所にしわ寄せがいってしまい、新たな問題が生じて此方が立たたないことも、

挙げ句の果てには、そうして生じた新たな問題の影響が巡り巡って、

眼前の問題に悪影響として返ってくることもあるものです(風が吹けば桶屋が儲かる

 

そんな風に、一つ一つの問題は単純であっても、それらが複雑に絡み・関与し合い、

しかも常に流動的に変化しているからこそ、世界は難しいのであり(万物流転
 

局所的な正しさが全域的な正しさであるとは限りません。

 

何かを改善するということは、別の何かを代償とすることであり(大事の前の小事

基本的に長所と短所は表裏一体で、万能などそうないでしょう(毒薬変じて薬となる
 

ですから、「なぜこんな簡単なことが改善されないの?」と疑問に思ことがあったら、

「関与している人間が無能だからだ!」とか「既得権益や私欲によるものだ!」

などと他者批判に走って思考停止してしまう前に、その単純に見える問題の裏側を、

自身の無知をまずは疑ってやる方が建設的で、大切かもしれません。

 

 

頭の中の世界は盲点や想定外が存在しない世界であり(言うは易く行うは難し

まして人は論理よりも結論ありきで考えたがるものですから(石に漱ぎ流れに枕す

人は案外矛盾を抱えやすく、実行に移さなければ、それに気付きにくいものでしょう。

 

ある問題では万一の想定外があったらどうする!即時撤廃すべき!」と言いながら、

別の問題では万一などと不要に危機感を煽るな!もっと現実的に!」と言うなど、

どちらの主張も一理あれど、両方同時に主張すると矛盾が生じかねないような、

ケースバイケースとはいえ、実際そんな主張を平然としている人は多いものですから、

自他の主張を、そんな観点から捉えてみるのも一興かもしれません。


 

 

今ここからの光景は、こんな感じ。

 

関連記事

無知な人間ほど世界や問題は単純に映りやすく、改善案にも自信を持ちやすい

 

どんなに正しい意見を寄せ集めても、ちぐはぐであっては良いものにはならない


広告を非表示にする