ダニング=クルーガー効果 - 喪失することに意味のある自信 -

「未熟あるいは能力の低い人ほど、実力以上の自信に満ちている」(cf. Wikipedia

 

1ができるようになっただけで、まるで10までできたかのような過剰な自信を持ち、

それで10に挑んでも、挫折するのは当然。でもそれはきっと、価値ある挫折。

 

しばしば挫折と成長がセットで語られる理由

 

学びて然る後に足らざるを知る』という言葉があります。

これは「人は学ぶことで初めて、自身の無知を知ることができる」という意味ですが、

裏を返せば「学びが足りなければ、自身の無知を知ることもできない」ということ。

 

それ故、造詣が深く能力の高い人間ほど多くの無知を知っており、

逆に、能力の低い人間の方が無知故の全能感を持ちやすく、自信満々になりがち

…というのが『ダニング=クルーガー効果』です。

 

例えば、行動の伴わない知識は無知と同じであるが故(知行合一

実践や実力の伴っていない人ほど大きな口を叩いて自信満々なのはその典型でしょう。

例えば飲み屋でプロスポーツ選手をボロクソに酷評してる素人のおっちゃんとk

 

だからこそ『無知の知』は、自信がある事柄でこそ戒めることが大切なのですが、

一方でそうした「実力の伴わない自信」にも重要な役割があるとも思います。

 

というのも、成長戦略においては、臆病で踏み出せない一歩より、

蛮勇でも踏み出せる一歩の方が重要なこともあるからです(習うより慣れろ

A「あの、口先だけで一歩も踏み出そうとしない人は?」 B「知らんな」

 

勿論、そうして実力以上に思い上がれば、実践の先で壁にぶつかるのは当然ですが、

 

それは自身の能力の低さを認知できるだけの能力を得た証

 

であり、それこそ『学びて然る後に足らざるを知る』というものでしょう。

真の自信というものがあるなら、それは無知故の自信をなくした先にあると思います。

 

 

実力の伴わない自信は人に誤解を与え、他者と揉める原因にもなりがちですが、

「自信は人に大きなエネルギーを与える」という側面があるのもまた事実でしょう。

 

自信は持つものではなく目的のために使うものと考えるのが理想なのかもしれません。

 

 

 

今ここからの光景は、こんな感じ。

 

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現実に直面し自信が打ち砕かれたときにこそ、自分を信じる心の力は問われる