顰に倣う - 他者の成功談を鵜呑みにしてはいけない -

 物事の有用性は、その前提となる背景に依存するのだと思います。

顰(ひそみ)にならうとは

同じ行動をしても、そこから得られるものは十人十色

 

ある所に、胸に病気を抱えた“絶世の美女”がいた。

病気の痛みから「顔をしかめる様子が魅力的だ」と男性から評判になっていたため、

それを聞いた女性達が真似して、顔をしかめて男性に見せた所、

その顔を見た男性達は逆に恐れおののいて逃げ出しましたとさ。ちゃんちゃん。

 

というのが『顰(顔をしかめること)に倣う(真似すること)』の語源らしく、

端的かつ現代風に言うなれば

ただしイケメンに限る」ならぬ「※ただし美人に限る」エピソードだろうかw

 

他者の成功談などからヒントを得ることは大切だと思います。

しかしこの際、

 

自分と他者は違う存在であり、その背景も異なる

 

という至極当然のことを忘れてはならないと思います。

これは個人に限らず、組織や法人についてもまた然りです。

 

例えば、他社の経営者がトイレ掃除をしだしてから経営が好転したからと言って、

自社の経営者が真似してトイレ掃除をしても、同じようにうまくいくとは限りません。

 

身長200cmのスポーツ選手が編み出したテクニックが本物であるかどうかと、

それを身長160cmの選手が真似してうまくいくか否かは全くの別問題なのですから。

 

 

そんな訳で、他者から倣うことは大切ではありますが、

自分と他者では前提となる背景が異なることを忘れてはならないと思います。

 

また、この“背景”という言葉には

時代や環境、理想や目的、経験や価値観、身体的特徴、果てはご縁のような運要素まで

非常に多種多様な要素が含まれ、把握が困難なことも忘れてはなりません。

真偽はともかく、万人に共通する事柄などないと戒めるくらいで良いのだと思います。

 

 

 

今ここからの光景は、こんな感じ。

 

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万人に共通する事柄などないのなら、万人にとって正しい言葉もない

 

有用性は前提となる背景に依存するなら、学ぶならその背景を含めて学べ